Sugar Cane Made in Japan Denim Factory Vol.001 – “Cotton & Spinning”

TEXT: 東洋エンタープライズ (TOYO ENTERPRISE)

シュガーケーン メイドインジャパン デニムファクトリー Vol.001 「素材&紡績」

 

ヴィンテージデニムの魅力は、穿き込み、色落ちした際の独特のムラ感にある。それを再現するためには、デニムの元となる糸をどれだけ当時に近づけられるかが重要になってくる。糸の原料となる原綿の出来ばえは風土や気候に左右され、産地や収穫される年によって繊維の色も太さも異なる。そのため現在のアメリカ綿を100%使っても、当時と同じ糸を作れるわけではない。原綿を同じにするよりも性質や形状の再現を追求することで、よりヴィンテージデニムに近い糸を作ることができるのである。このような理由から原綿の組み合わせを何通りも試し、比較・分析。

 

例えば弊社が所有する1947年のヴィンテージデニムの糸に最も近いのはアメリカ綿とジンバブエ綿をブレンドしたものであることが判明し、シュガーケーン “1947 MODEL” ではこのブレンド綿をベースとしつつ原綿の出来栄えによってブレンドの調整を行い、使用している。このように選ばれた原綿を糸に撚るわけだが、ヴィンテージデニムが作られた時代は紡績技術が未熟であったことから、使われている糸は不特定に太さが変わるムラ糸であり、それによって色落ちのムラ感が生まれてくる。これを再現するため、当時の糸のムラ具合に従って糸を撚る力に強弱を付け制御することで、ヴィンテージデニムに限りなく近いムラ糸を作りあげている。