Lot No. SC11946US & SC41946US / SUGAR CANE “Made in USA” 13oz. WWⅡ DENIM 1946 MODEL

TEXT: シュガーケーン 企画総括 福富雄一 (YUICHI FUKUTOMI)

 

 

我々にとって、特別な意味を持つ「アメリカ製」という言葉。テレビや映画、雑誌を通して知ったアメリカンカルチャーに憧れを抱き、古き良きアメリカ製ヴィンテージクロージングのディテールに魅了され、以降長年にわたってその魅力を追求し続けてきた。時代の移り変わりとともに「アメリカ製」の製品が店頭から姿を消しつつある今、その原点を絶やすことなく継承しているのが、SUGAR CANE “Made in U.S.A.” シリーズである。これまで日本で培ってきたヴィンテージ復刻の技術をアメリカへと持ち込み、シュガーケーンのロサンゼルス工場で生産を行う「メイドインUSA」シリーズは2005年にスタート。当初は「1955モデル」と「1966モデル」から始まり、ここ数年では「大戦モデル」や「1947モデル」をアメリカ製で再現してきた。

 

 

The term “Made in USA” has sentimental and symbolic overtones for us, the ones who could experience the “American lifestyle” only through the movies or magazines and were provoked a deep yearning for such a beautiful life in the land of dreams. In the present day when “Made in USA” products are fading away from the stores around the world, Sugar Cane “MADE IN USA” series persists as the leading supplier of genuine American clothing. Sugar Cane started its “Made in USA” denim project in 2005 with reproduction of “1955” and “1966” jeans in LA, then followed by many other models such as “WWII” and “1947”.

 

 

そして本年、東洋エンタープライズの創業55周年を機に「江戸藍デニム」と並び企画していたのが、この「アメリカ製1946モデル」。通称「46(ヨンロク)」と呼ばれる1946年製のジーンズやジャケットは、第二次大戦中の物資統制により生地やパーツの使用が制限された「大戦モデル」から、戦後に規制が解除され細部までこだわった贅沢な仕様が特徴の「1947モデル」への移行期に作られたもので、戦中と戦後のディテールが混在した荒削りな作りと希少性の高さから、現在ヴィンテージ市場で非常に注目されている。シュガーケーンでは、アーカイブとして保管していた1946年製501XXの貴重なデッドストックをもとにアメリカ製にこだわり、各部のディテールだけでなく当時の荒削りな作りもリアルに再現し、ヴィンテージさながらの空気感までも纏った一着へと仕上げている。

 

 

The year 2020 marks the 55-year anniversary of the establishment of Toyo Enterprise Co., Ltd. To commemorate the anniversary Sugar Cane released a complete duplication of distinctive jeans and denim jacket, so-called “46” model, that were produced only during a year of 1946. The “46” model is described as a very rare, rough-made product featuring mixed details both of during and after WWII. Then, it was inherited to the mature “1947” model of which specifications and details are luxurious. In producing this model, Sugar Cane is very particular about not only duplicating all the details observed in the authentic vintage deadstock of 1946 501XX that Sugar Cane have preserved for research and development, but also “Made in USA” where the vintage was actually done in 1946.

 

 

 

ヴィンテージアーカイブとしてシュガーケーンが20年ほど前から所蔵していた大戦直後の501XXのデッドストック。革ラベルには「S501XX」と大戦期のスタンプが押されている希少な1946モデルで、今回はこの個体をもとに復刻を行った。

 

 

 

生地が幾重にも重なり厚みが生まれるバックヨークの中心部。このS501XXラベルのヴィンテージ(写真右)は厚みを分散するために左右の高さをずらして巻き縫いされており、シュガーケーンの1946モデル(写真左)も同様の仕様としている。

 

 

 

もとにしたヴィンテージの縫製部には、このように縫製糸を切らず後処理をしていない箇所が散見される。また、生地端の糸も処理されず飛び出したままの箇所が多い。この通称「アイリッシュペナント」は、検品作業もままならなかったであろう当時ならではの特徴。このような荒々しい作りをアメリカの工場で再現したことで、よりリアルな仕上がりとなっている。

 

 

 

SUGAR CANE “Made in USA”

Lot No. SC41946US / 13oz. WWⅡ DENIM WAIST OVERALLS 1946 MODEL

 

size : W28, 29 × L32 / W30-34, 36 × L34 / W38 × L36

color : 420N) NON WASH, 421A) ONE WASH

¥29,800 + tax

 

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第二次大戦後、規制が解除されたものの仕様が急激に戻るわけではなく、生地やパーツ、縫製などに戦中・戦後のディテールが混在した1946モデル。コインポケット部分をリベットで補強し、フロントにはオリジナルボタンを使用するなど物資統制が解除された大戦直後のヴィンテージをもとにしているが、縫い代が折り込まれず切りっぱなしであったり、ヒップポケットがいびつな形状であったりと、大戦中のディテールも引き継いでいる。縫製はシュガーケーンのアメリカ工場で行っているが生地は日本製で、ヴィンテージを分析して専用の綿や染料を調達。糸はタテ7番×ヨコ6.5番で撚りが強め。米綿のムラ糸を通常の生地よりも時間をかけ、ゆっくりと力織機で織り上げている。

 

 

During WWII the US government had strictly controlled supply and usage of certain materials and parts, and even sewing specifications of garments. Although these restrictions were lifted after the war, the jeans produced in the chaos still had inherited part of the details from war time, such as rough sewing, uneven cut parts and coarse denim. The Sugar Cane’s grainy denim is woven with original slubby yarns made out of American cotton, and milled exclusively for the new 46 model by primitive power looms in Japan. Then, it is exported to Sugar Cane’s sewing factory located in LA to be cut and assembled to pairs of jeans.

 

 

 

鹿革製のパッチには「S1946」の文字と「Made in U.S.A.」のスタンプが手押しされる。フライのボタンはサビ止めのコーティングを施したものと施していないものが混在している。タック(ボタンの足)は珍しい銅メッキのもので、トップボタン用とフライボタン用でサイズが異なる。またフライ付け部分はフライにだけロックミシンがかかっているので、洗うと身頃の経糸が飛び出してくる。

 

 

 

戦後に復活したコインポケット部の補強用リベット。ポケット口にはセルビッジを使用。裾上げのステッチはコースアウトでフィニッシュしており、当時らしい荒い縫製を再現。袋地は大戦期にみられる通常よりも目の粗いスレキ。コインポケット付近を見てみると、角の部分をカーブさせてショートカットしたステッチワークとなっており、ヴィンテージに見られるこのような縫製仕様も再現している。

 

 

 

SUGAR CANE “Made in USA”

Lot No. SC41946US / 13oz. WWⅡ DENIM BLOUSE 1946 MODEL

 

size : 36, 38, 40, 42

color : 420N) NON WASH, 421A) ONE WASH

¥34,800 + tax

 

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第二次大戦後に規制が解除され、フロントの5つボタン仕様やポケットのフラップが戻り、ボタンもオリジナルのものを使用しているが、ざらつきの強いデニム生地や拙いステッチワークなど、大戦期の特徴も色濃く残る1946モデルのデニムブラウス。生産時期が短くヴィンテージ市場でもなかなか出会うことはできないが、その中でもさらにレアな1枚袖のタイプをリリース。

 

 

When the strict material control by the US government was lifted after WWII, the denim jacket could bring back their original details that had been abbreviated, such as 5th front buttons, branded buttons and pocket flap, however, the coarse denim and rough sewing had remained unchanged. The rarely-found one-piece sleeve construction, uncut thread-ends, the Sugar Cane’s 46 denim blouse has kept these “rough” charms that could be seen only on the products made in 1946.

 

 

 

戦前のモデルから1950年代までに作られたデニムブラウスの中で、稀に出てくる1枚袖の仕様。またカフスの取り付け方や生地の地の目の使い方がウエストベルトと異なるのも特徴で、カフスは地縫い返しで縫製されている。フロントはボタンとボックスステッチの高さが合わない「前期型」。デッドストックの風合いを意識し、敢えてステッチの糸切りはしていない。

 

 

 

革パッチの縫い付け方はいくつかあるが、今回のモデルは向かって右サイド上からスタートして右サイド下で縫い終わる付け方になっている。各部に打ち込まれたリベットは、刻印やメッキの異なる2種類のリベットをランダムに使用。ポケットフラップの裏はライトオンスのデニムが当てられている。ジャケットでは大戦中でも省略されることのなかったバックストラップ。このシンチバックの取り付けステッチも、左右ともに向かって右サイド上からスタートして右サイド下で縫い終わる仕様となっている。